時の変遷に変わりなく今でも参考になります

時の変遷に変わりなく今でも参考になります

2019.4.1

拙著『小さな会社は月次管理経営で儲けましょう』を上梓して早14年の歳月がたちました。多くの経営者の皆様に読んでいただき感謝の念に耐えませんが、今では書店の棚で見かける事はなくなりました。
ところが先日、若手経営者の勉強会で経営幹部の資質について質問が飛び交ったところ、拙著を持参されている経営者が「先ほど話された内容や今の質問についてはこの本に書かれていますよ」と拙著を紹介してくださいました。上梓からあまりにも年数が経ち、私自身も内容を忘れかけていましたが、本の内容と同じことを説明していたようです。

帰宅し、改めて読み返してみると自身でも納得できるところが多くありました。当然書き方が不十分なところ、書き直したいところ、稚拙な表現、くどい表現等も多々見つかりましたが、手前味噌ながら小さな会社、いや中堅ぐらいまでの会社の経営に役立つノウハウが散りばめられていると感じ、今後はこの本をテキストに後継者勉強会を進めてもいいのではないかと考えている次第です。その事はさておき、経営の基本は時の変遷にかかわらず、不変なものであると認識し嬉しく思いました。

この本を出してからの長き年月の間には「月次管理ではなく日次管理が大事ですか?」「そもそも月次管理とはなんですか?」という質問を多く受けてきました。
たしかに小売業や外食産業など業種業態によっては月次管理では、迅速な経営判断ができない場合があります。管理する内容によっては、一日単位ではなく、時間単位で管理しなくてはならないこともあるでしょう。

しかし多くの会社では、試算表を日次では短すぎる(または細かすぎる)、また年次では遅すぎるという理由から、月次で作成しているのではないでしょうか。会計の慣行においても月次で帳簿を締め、決算する「月次決算」が一般的です。したがって日々の売り上げを把握する、或いは一週間の営業成績を検討するという場合を除き全社的経営管理においては月次が最善ではないかと考え、月次管理経営を推奨しています。

ここで私たちの事務所が実践し、推進している月次管理経営とは、会社の活動状況(事業活動)を数値によって表した月次決算をもとに利鞘(利益・マージン)はどのように生み出されているか。会社の管理コストは適正であるか。報酬、給料は正しい評価に従って分配されているか。など経営の実態をつぶさに把握し、月次決算から見える将来に対していかなる次の一手を打つかを決定し即実行するための経営手法です。この手法を「月次管理経営法」と名付けています。

この手法を実践するためには、経営者は会計脳(会計的な思考をする)で会社分析をし、経理・会計人は商売脳(経営者的思考)で決算書を読み課題を見つける必要があります。
この会計脳と商売脳を持って毎月を管理するノウハウが『小さな会社月次管理で儲けましょう』には書かれています。是非今一度読み返してみてはいかがでしょうか?