連続赤字から脱却できない

連続赤字から脱却できない

2018.06.05

経営者にとって赤字決算ほど身に応えます。

その赤字が2期連続すると銀行は警鐘を鳴らします。その赤字が3期4期続くと倒産の噂が飛び交うことになります。ところがある会社は赤字決算が連続8期続いても倒産しないのです。「なぜ倒産しないの」と思われるでしょうが、「会社は資金が続く限り倒産しない」という言葉をあらためて実感いたしました。

ところがその会社も8年間に一度だけ黒字決算をしています。その時のサクセスストーリーをベースに次のステップへ進み、会社を再生軌道に乗せてしまえば良いのです。ところが今いるコンサルタントは社長の考えに迎合し、出来もしない夢のような経営計画を作成しました。

当然会社は計画達成に向けて動き出しましたが所詮それは絵に描いた餅、結果は計画の70%も達成できず、大赤字の決算となりました。本当に残念な出来事です。(その一度だけの黒字決算をアドバイスしたのが私の事務所です。)

このように赤字決算が続くとその会社の信用不安は増大し、今後の取引にも影響が出てくると予想されます。

また8期も赤字が続くと経営者の経営能力を疑う人も多いと思います。

では黒字決算をするためには何が大切なのでしょうか?

それは儲かる経営体質に転換することです。そのためには客単価と客数の掛け算、そして粗利益率にすべてがかかっています。(こんな事誰でも知っています。)

利益率の高い儲かる商品であれば販売数量が少なくても一般管理費を賄うことができます。しかし利益率の低い商品であれば販売数量を増やすしか利益を賄うことはできません。ましてや工場において生産数量を増やさなければならない場合は、工場の生産能力が大きく影響してきます。

当然、赤字受注などとんでも無いことです。(赤字受注して黒字になるわけがありません。黒字になったとしてもその赤字をカバーするために、多くの数量を生産しなければならなくなります。)

そのように考えると、体制の立て直しは売上至上主義ではなく利益優先の戦略が必要になることは誰でもわかると思います。

ともかく抜本的な改革が急がれるでしょう。…抜本的な改革とは何だと思いますか?