投資ですか、投機ですか、それともギャンブルですか?

投資ですか、投機ですか、それともギャンブルですか?

2018.03.01

金融緩和が長期間続いても、中小企業の設備投資が伸びないのが現状のようです。

銀行員から「企業がリスクを取らないので融資が伸びない」というお話を聞くことがあります。銀行の資金を使って設備投資をし、売上拡大を図ってほしいという切実な期待が込められたお話ですが、そのお話を聞くたびに「そだね〜」と胸が痛くなります。
「リスクをとって投資をする」ということは経営者にとって当たり前のことだと思います。もちろん経営すること自体にリスクがあることですから。

経営の中で「投資」という場合、経営者によってその思惑に若干違いがあるように思います。

経営者は将来を見通し、今何をしなければならないかを考え、資金を設備に投入したり、人材に投資したり、在庫を買い入れたりします。この場合なんらかの安全が担保されていることが多いようです。

しかし材料や原料の相場が今後大きく高騰しそうだとか、今後発展するビジネスを見つけたとか、ものすごく流行している商品だからということで資金を投入すればそれは投資かもしれませんが投機的意味合いが強くなります。

投機(スペキュレーション)という場合それは損失の危険を犯しながら大きな利益を狙う行為なので通常の経営者は損失を恐れて投資しないのが通常です。もし経営者が投機話しを持ちかけられ、楽して大儲け(何もしなくても配当がくるなど)の話ならば、それは詐欺かもしれません。

またスペキュレーション(投機)ではなく、明らかに金銭をかけた勝負であればそれはギャンブルです。会社の大切な資金を使ってギャンブルする経営者はいないでしょう。(過去にそのような経営者を見たような気がします)

すなわち経営者の皆さんに問いたいのです。投資は経営者にとって当然の行為です。

しかし社長あなたは、インベスター(投資家)ですか?それともスペキュレーター(投機家)ですか?ギャンブラーですか?と尋ねてみたいのです。

「リスク」をカタカナで言うとカッコ良く聞こえます。しかし「リスク」をエベレスト登頂とか北極横断などの事例に置き換えるとその危険性がよくわかります。そこで「リスクをとる」を「冒険する」という言葉に変えて「冒険しますか」と自分に問ってみてください。

そうすれば、そこではじめて投資するべきかどうかがわかってくると思います。そして投機若しくはギャンブルはとんでもないことがわかると思います。